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このサイトについて / 研究の目的 ― Purpose of This Project

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様々な間隙性貝形虫類.裾野市 高橋徹氏提供.
間隙性生物はこれまであまり注目されていませんでした.体サイズが小さく,また形態的に単純化したものが多く,分類がしにくかったこともありますが,そもそもこのような環境に多くの生物が生息していること自体に関心がもたれていなかったといえましょう.

しかし近年,その分類学的多様性は極めて高いことがまず貝形虫類の研究から再確認されました.甲殻類の仲間である貝形虫類の場合,間隙性種は表在性種(堆積物や海藻の表面に生息する種)に匹敵する種多様性をもつ可能性さえあります.また,一見単純化した体制(体の造り)には,様々な制約から導き出された特殊化が見いだされること,高い種多様性を担保するための生態的・形態的特性をもつこと,「生きた化石」ともいえる分類群が多く存在することなど,生物進化を理解する上で,非常に重要な知見が得られています.

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間隙性貝形虫類と表在性貝形虫類の大きさの比較
貝形虫類で見られたこの高い多様性や進化学的な知見は,必ず他の分類群にも見られるはずですし,貝形虫類では解決できなかった生物学的な問題も,他の分類群からは解決できるかもしれません.本サイトでは,「実は極めて多様性の高い」間隙性生物の世界を様々な分類群の専門家が協力して最新の研究成果をリアルタイムで発信しつつ,間隙性生物の実態に迫ります.同時に,情報交換や議論のための開かれたプラットホームにしたいと考えています.